Fumiya Tanaka

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おおまかにまとめる

June 13, 2016

レコードをグループ分けにしてバイナルケースにまとめています。
大まかに3つぐらいのグループにまとめて入れるのですが、どんなリズムやメロディーか、どんなグルーブのキャラクターかなどを基準に大まかにまとめます。

自分の場合その都度発想したいくつかの構想から、アイデアにマッチするレコードを選曲しそれぞれを大まかにまとめていきます。
準備自体個性が出るし、このあたりもやりながら自分のアプローチを見つけるしかないのですが、若い頃はレコードを無雑作に入れていたことがよくありました。
それでは現場で対応しきれなくなることがわかると事前準備を怠らなくなりましたが、今となっては準備無しのぶっつけ本番を試しに一度やってみたい思いもあります。

次のバイナルに繋げるまでの与えられた時間はほんの数分。
その間に一挙に判断、選曲まで繋げるので、時間との勝負でもあります。
現場で直ぐに対応できるようバイナルケースのどこにどのレコードが入ってるのか、ケースの中を見やすくしておくのは工夫の一つです。

どんなテーマでグループ分けをしてもいいのですが、グループごとに大まかにまとめておくことは、次のバイナルをより早く見つける為の工夫でもあります。
バイナルケースの中に入っているレコードはおおよそ頭の中に入っていますが、それでも見落としや抜けはあるのです。
どこにどのレコードがあるのか、頭の中に叩き込むのです。

その他には想定外に備えたバイナルを準備することもあります。
ただ想定外はキリがないので、あくまでこれをやる時も大まかにまとめます。

その都度結論を出しながら大まかにまとめることは、他の可能性を残した余白を残している行為でもあり、きっちり決めないことでエラーを受け入れ、それに対処する術に頼るのです。
即興選択の連続で、実際現場は事前の想像を超えていきます。
これら全ての準備やまとめは、結局のところ現場での生の対応に不可欠なことであり、現場でアレンジされた形での表現こそ即興の醍醐味です。

パーティーにはたくさんの情報が溢れており、準備した構想、アイデアをそのまま形に出来ることなどあまり多くなく、それは生身の人間とのコミュニケーションだからでもあります。
自分の構想だけで出来上がった表現も素晴らしいと思いますが、外からの影響にオープンになりその場で構想をアップデートさせる行為が現象の側の構えです。
だからこそ事前準備はあくまで大まかにまとめるのです。